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穏やかな波。 2

 千尋と岳斗くんが帰ってはぁ、と二人で溜息を吐き出した。
 引きずるように千尋が岳斗くんを連れていったけど、千波が気にする事ではないだろう。
 「過去ってなにしてたんだか」
 遅くなった朝飯はもうブランチだろう。
 用意しながらぼそりと呟くと孝明が苦笑を漏らす。

 「過去ですから!」
 千波はちろりと孝明を睨んだ。
 「…自分でイケてたなんて言う位だもんな…」
 「…嫉妬ですか?いいですよ?もっとして。それくらい千波が俺に夢中だって事ですからね」
 「………」
 じっとりと千波は孝明を睨むが孝明は全然なんともしていないようだ。
 「ちょっと腹立つな。…僕はお前しか知らないのに」
 「仕方ないですね。千波は俺しかダメなんでしょう?」
 「……岳斗くんは可愛いな、と思うけど?」

 孝明が呆れたように千波を見た。
 「千波さん……千尋に殺されますよ?」
 「…そうだな」
 歌詞が全部岳斗くんの事と聞いて今まで聞いた事ある曲を思い出せばその千尋の思いが見えてくる。
 「自分の弟だけど…アレ…独占欲の塊か?」
 「でしょう」
 「…ああ…似てないと思ったけど…そういうトコは似てるともいえるかな…?」
 「……千波も独占欲の塊なんだ?いいですよ?いくらでも。言っては何ですがミューにも俺は嫉妬してますからね?」

 「はい?」
 千波はきょとんとして孝明を見た。
 「俺がミューの世話をよくするのは千波を取られない為ですから」
 「は?」
 「猫ってだけで堂々と千波の横で寝るし。キスしてもらえるし。抱っこしてもらえるし。俺なんてして貰った事ないですけど?」
 「あ…」
 確かに普通の時に自分から、はない、かも…。

 「というわけで、千波からのキスください。ミューに出来て俺にはしない、なんて言いませんよね?」
 どうしようか、と思いつつ孝明の肩に手を置き、首を伸ばしてちょんとキスする。
 「…それだけですか?もっと濃厚なヤツを…」
 「…うるさい。飯」
 照れくさい。
 「…耳まで赤くなってますけど?…ホント可愛いんだから」
 「うるさい」

 実習で孝明がきた時にこんな事になるなんて思ってもいなかった。自分がこんな風に誰かが欲しくて欲しくて仕方なくなるなんて。
 「…責任とれよ」 
 「はい?ああ、昨日も言ってましたね。勿論です。だから隣に越してきたでしょう?……そうですね…アメリカにでもいきましょうか?」
 「なんで?」
 「州によっては同性でも結婚できるでしょう?」
 「な…っ」

 別にそこまでっ!
 「いつでも」
 何でもない事のように孝明が言ってふっと笑うのに千波は頭を抱えた。
 「そん時は千尋達も誘ってやるか…」
 「いや、いいから!」
 そんな事ばれたらお堅い親はショック死しそうだ。
 くすくす笑う孝明を千波は恐る恐る窺った。

 「…しなくていいからな?」
 「さぁ?…でも本当にそれ位の気持ちですよ?大体にして千尋の兄貴って時点で本当は回れ右したい所なんですから。それを超えてまで傍にいるんです。千尋にアパートの保証人も頼んで、ですよ?」
 あ…だから千尋が知ってたのか。
 「…僕でよかったのに…」
 「いいんです。トンズラして千尋に迷惑かけてやってもいいかな、って」
 ぷっと千波が笑った。

 「一応身内なんだから…苛めるな」
 「苛められるの俺の方ですよ?唯我独尊系ですからね。ホント千波と全然似てない。よく岳斗が変わらず千尋を好きでいられるのが謎ですよ」
 やれやれと言わんばかりに孝明が肩を竦めるのに笑ってしまう。

 岳斗くんの目はいつでも千尋を見ている。
 千波もああなっているのだろうか…?
 いつだったか自分の顔が電車に映った時の顔を思い出し、そしてちらりと孝明を見た。
 すぐに孝明も千波の視線に気付く。

 「何です?」
 「いや…なんでも」 
 ふいと照れくさくなって孝明から視線を外すと孝明が後ろから千波を抱きしめた。
 「そんな期待に満ちた目で見られたら…ベッド行きますか?昨日は足りなかったでしょう?」
 「ち、ちがうっ!何バカな事!飯だって言ってるだろう!」
 「…そうですね。腹へってます」
 簡単に孝明の腕が離れれば惜しくなってしまうんだから馬鹿みたいだ。
 
-----------------
続きに拍手コメお返事です^^ 
AHN様
 スミマセン…エロの回に^^;
 狙ったんじゃなかったのですが~(笑)
 今日のお昼分で終了でした^^
 イラストとコメントありがとうございます~^^

USGちゃん様
 全然いいですよ~^^
 4人のやりとりに笑っていただけて
 嬉しいです^^
 千尋先輩の歌詞は恥かしくてかけません(><)…笑
 ありがとうございます~^^

KRB様
 はい、天然天使と悪友登場でした~^^
 あら昔の悪さ気になりますか?(笑)
 多分兄弟自然と(仕方なく)仲良しに
 なるでしょうねぇ~。
 きっと岳斗が余計な事言いまくりでしょう~(^m^)
 ありがとうございます~^^

m-s様
 お久しぶりです。
 ミューちゃんは私の中で主役でしたよ?(笑)
 バラードに反応も笑っていただけて嬉しいデス^^
 10月あたりにですか?
 工事終わったら足跡つけてくださいね~^^
 ありがとうございます~^^

nkmm様
 孝明かなり年下なんですけどね^^;
 普段はそうは見えない…(笑)
 そして歌詞のとこ笑っていただけて嬉しいです^^
 身内に知られるのって超絶恥ずかしいかも(笑)
 孝明の過去…(^m^)やはりソコですか?^^;
 ありがとうございます~^^

Kin様
 仲間内のところ気に入っていただけているみたいで
 よかったです^^
 読み直し、こういうところですか?^^
 そう言っていただけて嬉しいです♪
 ありがとうございます~^^

S様
 幸せいっぱい兄弟…チョー恥ずかしいよね(^m^)
 ミューちゃん気に入っていただけているようで~(^m^)
 独り言連載して欲しい位でしたよ(笑)
 風邪もよくなられたみたいでよかったです~^^

 コメ欄にお返事ダメってあったので…^^;
 鍵つけちゃだめよ~~~(><)
 あ、やっぱり入ってなかったでしたよ^^;
 多分超えてたのかと思われます↓
 も~~~公開で入れて下さいよ(><)
 妄想ふくらみおKです!^^b
 ワロタ~~~~~(≧▽≦)
 ありがとうございます~^^ 

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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