28 駿也(SYUNYA) 目を覚ましたら泰明の部屋で、しかも頬にキスされ、唇にもキスされた。
熱で身体が熱いのか、キスでかっとしたのか。
さらに制服のままで!と思ったらすでに制服じゃなくて着替えまでさせられてて…。
身体が恥ずかしいのかなんなのか知らないけれど熱い!
そして頭の中がぐるぐると回ってきそうになる。
階段で誰かに押されて突き落とされたのに、駿也の気になる事は泰明の事ばかりだ。
う、わ…。
ふわりと布団から泰明の匂いがするのに駿也の心臓が掴まれた様にぎゅっとなった。
部屋も、どこもかしこも泰明の気配がある。
部屋は綺麗だけどどこか寒々しい自分の部屋と違って泰明の部屋は温かな感じがした。
階段から泰明を呼ぶ泰明のお母さんの声に泰明が部屋を出て行くと思わずほうっと駿也は息を吐き出した。
ドキドキする。
余所の家というだけにも緊張しそうなのに、そのうえ泰明のベッド、だなんて…。
いつも泰明がいる家、部屋…。
そろりと部屋を見渡す。
車で眠ってしまった駿也を運んでくれたのは勿論泰明だろう。
抱き上げられた時の泰明の腕はしっかりしてて、泰明を近く感じたのにも思い出しただけでドキドキしてくる。
「駿也」
「っ!」
すぐに戻ってきた泰明に呼ばれてびくんと駿也は身体を揺らせた。
ベッドに近づいてきた泰明は手に氷枕を持っていて、泰明は駿也の頭を抱えるようにして氷枕を置いてくれる。
駿也は近い泰明の存在にぎゅっと目を閉じた。
別にそんな重病でも重症でもないのに。
足の捻挫がひどいだけなのに…。
「足は?まだ痛むか?」
「じっとしてれば…そんなでも…。力入ったり、動かすと痛いけど」
泰明が頷く。
「押された奴の顔は?」
駿也は首を振った。
「……そうか…。あ、そういえば」
泰明がベッドの端に座って駿也の額に触れる。
泰明は熱を確かめているだけ、だから!
駿也はどきどきと心臓がなっているのを落ち着かせる為に自分に言い聞かせる。
「俺は駿也に何かしたか?」
「……え?」
何か?
駿也は泰明が何を言っているのか分からなくて首を捻った。
「廊下ですれ違った時…」
あ!
駿也は泰明と七海さんを見て面白くなかった時の事だ、と思わず顔を顰めた。
そして小さく首を横に振る。
「……なにも……」
小さな声で駿也は答えた。
今はこうして泰明は駿也だけを見てくれているけれど、泰明が七海さんを気にかけているのが面白くなかっただけなのだ。
ただの我儘な思いだけ。
「そうか?」
つっと泰明が駿也の頬を撫でるのにぎゅっと目を瞑る。
こんな時どうしていいかなんて駿也には分からない。
「飲み物もって来てやるよ。汗かいてるから水分摂ったほうがいいからな」
すっと泰明が駿也から手を離して立ち上がるといなくなってしまう。
思わず駿也は、はふっと溜息が出た。
なんか緊張してしまう…。
泰明にじっと見られて触れられて、もうそれだけで自分が自分じゃないみたいだ。
泰明は人に触れるのが好きなのだろうか…?
どうも駿也はあまり人自体に慣れていないからどうしていいか戸惑ってしまう。
でも泰明に触られるのは好きだ。
どきどきして落ち着かなくなるけれどでも安心出来る。
胸のところで布団をぎゅっと握り締めた。
「…あっ!」
なんかずっと物足りないと思っていたら、ここ最近ずっとイルカを抱きっぱなしだったのが、そのイルカがいないからだと思い当たって恥かしくなる。
「……バカみたいだ」
でも思い出すとなんとなく寂しく思えてしまう。
駿也はふるっと首を振ると半身をベッドから起こした。
「い…っ!」
足を床に下ろすとズキンと痛みが走る。
捻挫だといわれたけれどかなり酷い。
「駿也、何してる?」
泰明が起きた駿也に慌てて駆け寄ってきた。
「足、つけるかと思って…」
「無理すると治りが悪いって言われただろ」
駿也はそっとベッドに足を戻した。
「今は熱もあるんだから大人しく寝てろ。ほら、飲んで」
泰明がペットボトルを手渡してくれて駿也はそれに口をつけ、喉を潤し、そして大人しくまたベッドに横になった。
「見張ってなきゃだめなのか?」
「……」
そうじゃないけど…。
「ほんとお前は放っとけないな」
はぁ、と泰明が浅く溜息を吐き出した。
そう、なの…?
泰明の言葉に駿也は嬉しいと思ってしまい、弛みそうな口元を泰明の布団でそっと隠した。
-----------------
続きに拍手お返事です^^
CHM様
お泊りでした~^^
萌えありがとうございます~(^m^)
可愛いですか~?/////
気に入っていただけて嬉しいです^^
ありがとうございます~^^
YK様
お名前読み方間違っていたらスミマセン(><)
腐女子歴浅くても関係ありませんよ~(笑)
私はかなり年季はいってますけど^^;
お話気に入っていただけて嬉しいです////
オーケストラ!…私は専門外なので是非お話ききたいです~(^m^)
お気遣いもコメントもありがとうございます~^^
Bb様
ふふふ…ありがとうございます~^^
最初は多分そう思われるかな~と(笑)
でも気に入っていただけたみたいでよかったです~♪
幸せきますので大丈夫ですよ!勿論(笑)
ありがとうございます~^^
初コメパート2様
朝早い時間からありがとうございます~^^
龍が… にはへぇ~~~!とビックリ!
そう言うんですね~!面白い!
私はわりと止まらないでだらだらと書けます(笑)
そんな素晴らしいものではないですけど^^;
きっと降りてきてくれますよ~!
PCに長時間向くのは疲れますが、
凝りにも気をつけて頑張ってくださいね(><)
ありがとうございます~^^
AHN様
モヤモヤ…(笑)
はい、まだでした~(^m^)
自然になってますか?よかった~
けど…長い?(笑)エロモードになかなか入れないので
長くなってしまいます~^^;
ジレてもちょっとお待ちくださいね(^m^)
ありがとうございます~^^
テーマ : BL小説
ジャンル : 小説・文学