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会計クンは鷹揚自若 46

46 駿也(SYUNYA)

 「でも……泰明には…言えない……」
 「げ~~~!お前もかよ?」
 「?」
 柏木がげんなりした顔をしている。
 「あのな?早く言ってくれ」
 柏木が駿也の肩を両手でポンと叩いてやれやれといわんばかりに言った。

 「言えないもんは言えないんだっ!」
 何故か三浦くんが顔を真っ赤にして叫んでる。
 「?」
 わけが分からない駿也はきょとんとするしかない。
 「あ~~~…そういや如からキスしてくれたの五十嵐のおかげだったなぁ…」
 「っ!」
 図書館での事だ、と駿也は身体を小さくした。

 「ああ、俺は別に気にしてねぇからいいよ?ゆきはちょっとまだ警戒してるっぽいけど。でも今は違うだろ?」
 にっと柏木が笑った。
 こくりと駿也が頷いた。
 「…ごめん」
 「いいって!で、言えないって?」
 「だって……」
 泰明はきっと駿也を好きなわけじゃないだろうから。

 「あのな?これ、三浦にも言ったけど、好きでもないヤツの事いちいち心配なんてしねぇよ?せいぜい大丈夫?気をつけては言うけど。わざわざこうして心配で俺達のとこまで連れてきたりとかしねぇと思うけど?」
 「……そう…なの、かな…」
 ちょっと駿也の事情が事情だから特別なような気がするんだけど…。
 …というか、なんで今日は八月朔日にも言って、三浦くん達にもこんな事言ってるんだ?
 思わず駿也は恥かしくなって顔を俯けた。

 「お前もさ~ちょっとは五十嵐見習ったら?いっつもきゃんきゃん騒いでばっかだし」
 「別にいいもん!和臣はちゃんと好きって言ってくれるし!」
 「ああ、いいですね~!俺は相変わらず滅多に言ってもらえませんけど!」
 「…いいな」
 思わず駿也は羨ましくて呟いた。
 「六平さん言ってくんねぇの?」
 三浦くんが首を傾げて駿也を見た。やっぱ可愛い!と駿也はそこも羨ましくなってしまう。
 「ちょっと事情がある…から」

 家の問題と駿也の処遇とでだ。駿也から付き合って、と言いだしたのに泰明は交際の付き合うじゃなくて本当に付き合ってくれてるだけなのだろう。
 じゃなかったら昨日だってきっと途中でやめるなんてないと思う。
 駿也はして欲しいと思ったのに、泰明は思わなかったという事だから。
 「事情?……事情はあっても言った方いいと思うけど?」

 「…うん…。俺も柏木に言え言え言われてたけど、結局自分からは言えなかったんだけど…でも先に自分から言ってたら悩まなくてよかったかなぁ、と思うよ?」
 「お前の場合は俺が迷惑だ」
 「そこは謝るけどっ!」
 仲いいなぁ、と好き勝手な事を言っている三浦くんと柏木も羨ましい。

 きっと三浦くんが自分を飾るとかそういう事をしないからだろう。
 駿也はダメだ。小さく頃から家があれであけすけに言うなんてどうしたって出来ない。
 「とにかく自分から言え!」
 柏木と三浦くんに声を揃えて諭されてしまう。
 「絶対大丈夫だから。だってずっと一緒にいんじゃん!先週なんかもうずっと公衆の面前でお姫様抱っこだよ?」

 だってそれ、捻挫してた、し…。
 言い訳がましく駿也が思うと柏木が笑った。
 「あのな?もし三浦が五十嵐と同じように足怪我しました。歩けません、ってなっても俺は三浦はお姫様抱っこはしねぇぞ?おんぶはしても。ま、それも会長が許すはずないけど、仮定の話な?好きな奴以外ヤロー相手にそんな事したくねぇよ」
 本当、だろうか…?
 ちゃんと言え、と勧める二人を駿也はじっと見た。

 そんな恋バナをしているとお迎えが来た。
 泰明に会長に副会長。それはいいけれど、七海さんもいた。
 なんで…?
 いつもは泰明だけなのに。
 でもそれに対してなにも駿也はいう事が出来ない。
 七海さんも電車だけど、泰明や駿也と線が違う。
 だからきっと駅まで一緒なだけ、だけど…。

 「駿也、どうした?足痛いか?」
 駅まで一緒に歩くのは泰明と七海さんとだ。
 駿也は一歩分離れて泰明の後ろを歩いた。
 「ううん…大丈夫」
 「六平、会計の報告書だけど…」
 七海さんはまるで駿也などここにいないような態度。
 なんでいつも駿也はこんななのだろう…?
 顔を俯けたまま泰明の後ろをただ歩いた。
 視界に入ってたのは泰明の足だけだった。
 好きって言え、って言われたってこんなんじゃ無理だと思う…。
 
-------------
続きに拍手コメお返事です^^ 
TNT様
 ありがとうございます~^^
 副会長編とは大違いでした~^^;
 ほほほ…我慢限界なんですけど
 濃い~くはないかな…^^;
 朝イチも皆様おkなようで(爆笑)
 嬉しいデス////
 ありがとうございます~^^

KRB様
 きっとお互いの好きが確認されたらですね~^^
 我儘どれ位きいてくれるか…とか?(^m^)
 多分泰明はなんでもきいちゃうと思います(笑)
 ありがとうございます~^^

S様
 はい次回予告編でしたね~(笑)
 イチャイチャしてヤキモチ~!モチロン!(^m^)
 そしてお友達には暴露して肝心な泰明に言えず^^;
 でもがんばります~(笑)
 ありがとうございます~^^

MR様
 そっちに反応ありがとうございます^^;
 今頭の中がそっちにいってますです…(--;)
 でもどうしようかなと悩み中~(笑)
 色々余計な事ばっか妄想中でした~^^;
 ありがとうございます~^^

msm様
 そうなんです~^^
 誤解と誤解で皆ヤキモチ!(大笑)
 誰かが言っちゃえば簡単な事なのに^^;
 ありがとうございます~^^
 

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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