はのんのBL部屋

49 駿也(SYUNYA)

　「何が違う？俺は駿也が可愛いといつも思ってるけど？別に三浦くん見たってキスなんかしたいとも思わないし。七海だって同じだ」
　「俺は泰明、好きだけど…泰明は、…違う…」
　「は？なんで？好きじゃなかったらキスなんてしないだろ。そもそも付き合ってというのに頷くはずないだろうが」
　「…え？」
　駿也はきょとんとして泰明を見上げた。

　その間も泰明は何回も軽くキスする。
　「だから前も言っただろ？お前じゃなきゃ足怪我しただけでなんでわざわざ家まで連れて行くかっ。七海がもし怪我したって家まで連れていかねぇよ」
　「だ、…って……泰明、きのう…してくれない、……。だから…俺の事なんて…や、なんだ…と、思っ、て……」
　「んなわけあるかっ！ああ、じゃ今すぐしてやる。それで駿也が納得するなら。後で嫌だなんて言うなよ？」
　「言わない…よっ……俺…して、ほし…か、った…のに…」

　「……悪かった。お前が俺の事を本当に好きかどうか分からなかったから。………無理にされた、って言ってただろ？だから駿也が無理をしてないか、と勝手に思い込んでたんだ。駿也……正直、水族館に行くまでは別にお前の事は何とも思ってなかった。でも水族館に行った日から俺は駿也が可愛くて仕方ないんだ。学校でもどこでもつんとしてていい。可愛い態度なんてしなくていい。ただ俺にだけは我慢しないでなんでも言え」
　「……なんで、も…？」
　「ああ」
　泰明が駿也の身体を抱き上げてベッドに運んだ。

　「俺…やだ…」
　「ああ！？何が！？今？セックスが、か？」
　「ち、ち、ちがうっ！」
　駿也は真っ赤になって慌てた。
　「……泰明…いっつも…七海さんと…」
　「ん？……七海が、七海が、ってやけに気にすると思ったら…それ、やきもちか？」
　ベッドに…イルカの脇に泰明が駿也を横たえるとすぐに制服のシャツのボタンに手をかけて外していく。

　「泰明…っ」
　かっと顔がますます熱くなっていく。
　「……本当に七海なんかに可愛いなんて思った事もないし、こんなんなった事もないけど？」
　ぐいと、泰明が駿也の足の間に身体を滑らせ、腰を押し付けてきた。
　「ぁ…」
　泰明のが、大きく、なって、る…。
　「昨日必死に我慢したけど…するんじゃなかったな。無駄な我慢だった…。駿也、好きだ。欲情すんのもキスしたいのも可愛いのも駿也だけだ」
　好き…？
　「泰明っ！」

　「言っていいぞ？七海が…ってずっと言いたかったのそれか？」
　「だ、って……俺、やだ…った…」
　駿也のボタンを外していた泰明の手が止まって何か考えている。
　「…ああ！廊下で会った時に顔合わせないのももしかして七海のせいか」
　「っ！」
　駿也はびくんとして目を閉じた。
　「だ…って…いっつも…泰明の、隣にいる、の…七海さん…ばっかなんだっ」

　泰明がくっくっと笑っている。
　「いいぞ？もっと言って」
　言って、いい…の？
　駿也はそろそろと目を開けた。
　もう涙は止まっていたけれど恥ずかしい。

　「いいさ。だって駿也が俺の事を好きだ好きだ、って言ってるもんだろう？」
　「好きだよっ！泰明だけ、だから…」
　「…なんだ…そうか。………じゃあ、聞くけど、今日、八月朔日相手に顔赤くして仲よさげに何話してた？おまけにお前の口まで触っただろ。駿也の唇に触っていいのは俺だけだというのに！」
　「え…？」
　駿也はちょっと考えてまた顔を赤くした。
　「泰明の事…。付き合ってるんじゃないのか、って…聞かれた、からっ。俺…うん、……って…言ったけど…よかった…？」

　「当然、うん、でいいだろ。…なんだ、そっか」
　「？」
　駿也はきょとんとした。
　「俺も八月朔日相手にやきもきしてたって事だ。駿也が可愛く顔赤くして八月朔日と顔寄せて話してるのを見て面白くなかった」
　「えっ！」
　「お前に優しくするのは俺だけでいい、と思って」
　「泰明だけだよ…？」

　「そうかぁ？柏木とも普通に話出来るし。まぁ奴は副会長に夢中だから別にいいけど。八月朔日は分からんから」
　「あっ…八月朔日もちゃんと好きな人いる、よ？」
　「ああん？ほんとか…？」
　「ん…それ、今日聞いて…俺びっくりして、声だして…それで口塞がれただけ、だし…」
　「……そういう事なら…駿也に疚しい気持ちないならまぁ、許してやってもいいけど…」
　そう言いながら泰明は何度も駿也にキスを繰り返し、止まっていた手を再び駿也の服を脱がせる為に動かし始めた。
　
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続きに拍手コメお返事です^^　
　

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