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会計クンは鷹揚自若 50

50 駿也(SYUNYA)

 「泰明…」
 泰明がキスしながら駿也の制服を剥いでいく。
 「駿也、いやじゃないか?」
 「…ない、よ」
 恥ずかしいだけ、だ。
 泰明の手が駿也の肌に触れている。
 足の捻挫でお風呂だって一緒に入った時も寄りかかったり抱き上げてくれたりで触れていたけど意味が違う…。

 「風呂ん時も我慢すんの大変だったけどな」
 「え…?……嘘…」
 だっていつも泰明は普通の顔で…。
 「なんだ、嘘って。肌が白くて眩しいから見ないようにしてたけど。…ずっとこうしたい、て思ってたに決まってるだろ」
 そう言って泰明が駿也の身体にキスしていく。
 ざわりと肌がざわついて泰明の頭をぎゅっと抱きしめた。

 「泰明…」
 どうしよう…嬉しい…。
 「いつだってキスしたいし、駿也は俺だけ見てればいい、と思ってる奴だけど?」
 「泰明、だけ…だよ…俺……に優しい、の…」
 「いいや、違う。けど、駿也はそう思っててくれていい。そうしたら俺しか見えないだろ?」
 くすっと泰明が笑った。
 そんな事ないのに…。

 だって熱あった時だって捻挫の時だってずっといてくれたのは泰明だけだったんだから。
 「泰明…ずっと……一緒、…いて、くれる…?」
 「ああ。勿論。駿也…」
 泰明はやっぱり優しい。
 「遊び…も…連れてって…くれる…?」
 「ああ。水族館での駿也が可愛かった…。遊び行くのも俺だけな?あんな可愛いとこ人に見せたら絶対ダメだ」
 「なにそれ」
 「本当だ。今週は結婚式あるしまだ駿也の足が心配だから出かけられないけど来週は動物園行こうか?お前多分好きだろ」
 「……うん。行き、たい…」

 「本当は先週行こうと思ったんだけどな。お前熱出してたし。ま、これからいくらでも行けるだろ」
 「うん」
 ぎゅっと駿也は泰明の首に抱きついた。
 泰明はずっと駿也の唇、首、鎖骨、胸、あちこちにキスを繰り返している。
 好き、だとこんなに何されたって嬉しいんだ…。
 初めてにしとけ、って泰明が言ってくれたけど、こんな気持ちは本当に初めてだ。
 泰明は駿也が感じるようにしてくれる。
 駿也がいいように…。
 ずっと名前を呼んでくれて、キスして。

 「好きっ…」
 言ってよかった。三浦くんと柏木が言ってた通りだ…。
 「駿也…俺も好きだ。お前を独占したい位な」
 特別とは言われてたけど、好きって言葉と全然違う。
 こんなに嬉しい気持ちがあるなんて知らなかったんだ。
 全部泰明が教えてくれ、与えてくれるんだ。
 「俺、こんな気持ち…初めて…」

 「ん?好き?ああ、…俺も初めてだ。いつでも駿也が気になって仕方ない。……校庭から見てたの分かったか?」
 「分かったよっ」
 恥ずかしい、けど嬉しい。
 裸なのだって恥かしいけど、体温を感じられるのは嬉しいんだ。
 でも泰明がゆっくり後ろに指を入れて慣れさせているのがいたたまれない。だってそんな丁寧にしてくれなくても…初めてじゃない…のに…。

 「や……いい、から」
 「よくないだろ。駿也にもちゃんと感じられるように、な」
 やっぱりどうしたって泰明には余裕がある感じがしてしまう。
 でもいい、んだ。
 泰明だから…。
 「…悪い…余裕なくて…」
 泰明が苦笑しながら言ったけど…。
 「え…?全然余裕みたい…なのに…」

 「ねぇよ。駿也」
 「あ…っ」
 泰明が声を掠れさせて、そして身体を進めてきた。
 泰明が入ってくる…。
 「泰明…っ……んんっ!」
 駿也が声を上げるとさらにぐいと泰明が腰を押し付けてきた。
 「あ、ああ…っ…泰明…っ……」
 「駿也…わり……もう…」
 「いい…っ…よ!」

 泰明が我慢できないと言わんばかりに腰を動かし始めて身体が揺さぶられる。
 うっすらと駿也が目を開けると、じんわりと汗を浮かべ、目には焦燥が浮かんでいて駿也はほっとしてしまう。
 「泰明…好き…」
 「ああ、…駿也……」
 やらしい音が聞こえるけど、全部与えてくれているのは泰明だ。
 全部。
 駿也の身体を埋めているのも泰明。
 それだけで感じてしまう。

 泰明が動く度に官能が広がって声があがってしまう。
 こんなに気持ちイイなんて…知らなかった。
 夢中で泰明の名前を呼んだ。
 名前を呼ぶだけでもそれだけでも嬉しい、なんて…。
 泰明が激しく腰を打ちつけ、中に泰明を感じる。
 「泰明っ…あ…ぅ……もぅ…っ」
 「ああ!…駿也っ」
 泰明の声も切羽詰ったように上擦っていた。 

 好き…。
 初めて、だ…こんなの…。
 
 

テーマ : 自作BL小説
ジャンル : 小説・文学

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